「不眠に効く漢方」を飲んでも、合わないことがある理由

体質診断

「不眠に良い」と書かれた漢方薬を飲んでみたけれど、あまり変わらなかった。
あるいは、飲んだら何となく胃が重い。かえって眠りが浅くなった気がする。
そんな経験はありませんか?
漢方薬は、パッケージに「不眠」と書いてあるからといって、すべての不眠に同じように合うわけではありません。

同じ「眠れない」という悩みでも、その背景は人によってかなり違います。

たとえば、胃もたれがあって、ゲップが出て、胸やみぞおちがつかえる。舌を見ると、苔が厚くベタッとしている。
こういう方の不眠は、単純に「心が疲れているから眠れない」というより、胃腸にたまった湿や濁りが、眠りを邪魔していることがあります。

この状態で、いきなり体をしっかり補うような漢方薬を飲むと、胃腸が受け止めきれず、かえって悪化することがあります。

「不眠に良いはずなのに、なぜか合わない」
その理由のひとつが、ここにあります。

漢方では、薬を選ぶ時に「今、何をする段階なのか」を大切にします。

まず、眠りを邪魔している濁りを整える段階なのか。
胃腸を立て直して、気や血を作る力を支える段階なのか。
それとも、体のうるおいや血を補って、心を落ち着かせる段階なのか。
あるいは、ストレスや緊張で気の巡りが悪くなり、熱がこもって眠れないのか。

同じ不眠でも、今の体の状態によって、選ぶ漢方薬は変わります。

たとえば、天王補心丹のように、体のうるおいや血を補って心を養う漢方があります。
乾き、ほてり、動悸、不安感があり、体がそれを受け入れられる状態なら、とても良い選択肢になります。

でも、胃もたれが強く、舌の苔が厚く、痰湿が詰まっている段階では、先に胃腸や濁りを整えた方が良いです。

漢方薬は「症状名」だけで選ぶものではありません。

大切なのは、
今の体が、その漢方薬を受け入れられる状態かどうか。
そして、どの順番で整えていくか、です。

「不眠に良い漢方を飲んだけれど、効いた感じがしなかった」
そう感じたことがある方は、漢方薬が合わない体質だったのではなく、もしかすると選ぶ順番が違っていたのかもしれません。

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