「疲れやすいんです」
そう聞くと、「体力が足りないのだから、元気を補う漢方を飲めばいいのでは?」と思うかもしれません。
もちろん、実際に体力が落ちていて、補うことが必要な方もいます。
でも漢方では、疲れているからといって、必ずしも最初から補えばいいとは考えません。
同じ「疲れやすい」でも、体の状態は違います
たとえば、
・食欲がなく、少し動いただけでも疲れる
・顔色もあまり良くなく、体力そのものが落ちている
こんな場合には、「足りないものを補う」という考え方が合うことがあります。
一方で、
・食後に体が重くなる
・お腹が張る
・舌の苔が厚い
・むくみやすい
・頭や体が重だるい
そんな方の場合は、単純に体力が足りないというより、胃腸の働きが落ちていたり、体の中に余分なものが停滞していたりすることで、疲れを感じていることもあります。
「補う」ことで、かえって重くなることも
ここが漢方の面白いところです。
体に必要なものが不足している人には、補うことが大切です。
しかし、胃腸が弱っていて、食べたものや水分をうまく処理できていないところへ、さらに滋養の強いものを加えると、
「飲み始めてから胃が重い」
「食欲が落ちた」
「体が余計にだるい」
ということもあります。
つまり、「疲れている=補えばいい」ではなく、「今の体は、補える状態なのか?」を見ることが大切です。
まず「邪魔しているもの」を取り除くこともある
たとえば、胃腸に余分な水分や食べ物の停滞があり、それが体の重さにつながっている場合。
こうしたときには、最初からどんどん補うよりも、まず胃腸を整えたり、余分なものをさばいたりして、体がきちんと栄養を受け取れる状態を作ることを優先する場合があります。
そのあとで、必要なら補う。
漢方では、この「順番」がとても大切です。
疲れ方を見ると、ヒントがあります
・食欲はあるか
・食後に眠くならないか
・胃もたれやお腹の張りはないか
・便通はどうか
・むくみや体の重さはないか
・睡眠はしっかり取れているか
など確認する必要があります。同じ「疲れやすい」でも、その背景によって考え方が変わるからです。
「何を足すか」だけでなく「足していい状態か」を見る
体力が落ちているときに補うことは、とても大切です。
でも、漢方ではそれと同じくらい、「今の体は、補ったものをきちんと受け取れる状態なのか」を大切にします。
胃腸が弱っていたり、余分な水分や食べ物が停滞していたりするなら、まずそこを整えることが必要な場合もあります。
疲れている=とにかく補う。ではなく、今の体の状態に合わせて順番を考える。
これが漢方で体をみるときの大切な考え方のひとつです。


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